「、ここから抜け出そう。」
「え?」
急にベルはそう言い出した。
お城を抜け出す?そんなこと、できっこないよ。
ねぇベルってばどうしたの?お父様やお母様が心配しちゃう。
ベルのお兄様だって心配するに決まっているもの。
「・・・早く行かないと、もっと面倒になっちゃうから。」
「でも、でも、ベル。私やベルのお父様やお母様は?」
「心配ないから。ほら、おいで。」
「あっ・・・、ベル本当に大丈夫なの?」
「はちゃんと俺が守るから黙ってついてくればいいの。」
なんで、早く行かないといけないの?
ベルのお兄様は、一緒じゃないの?
「・・・・・・・・・・・・ベルフェゴール様!様!どこにいらっしゃるんですか?!」
「やっべ。、急ぐぞ。」
「ベル?ねぇ、怖いよ・・・。」
「は俺から離れなきゃいいんだよ。何かあったら俺が片付けるし。」
「・・・うん。」
とうとうお城を2人で抜け出してしまった。
私はすごく疲れたけど、一生懸命ベルの手を離さないように走った。
お城の薔薇園を抜けて、裏庭を抜けて、
古い小さな木の扉を通ってお城からでた。
森の中をひたすら走って、私たちは見つからないように逃げた。
「はぁ、ベ・・・ル、疲れ・・・た・・よぉ。」
私がそう言うとベルは急いで止まって、
私を休ませてくれた。ベルはいつでも私に優しい。
「、ごめんな。」
「え?」
「こんなに走らせて・・・。」
「ううん。平気だよ、ベル。」
「なぁ、。」
「なぁに?」
「・・・俺、さっきお城で兄貴を殺したんだ。」
「・・・え?」
ベル、ベル、どういうこと?
ベ ル が お 兄 様 を 殺 し た ?
2人はいつも仲が良かった。
ベルはお兄様を殺す必要なんて、ないはずなのに・・・。
「ベル、だからお城から逃げてきたの?」
「・・・そうだよ。」
「なら、ベル1人で逃げていけばよかったのに。私、ちゃんとベルがどこへ逃げたかなんて言わないのに・・・。」
「を、あんな汚いところに残してなんかいけない。」
「ベル・・・。」
「でもは俺と一緒にいるのが嫌ならお城へ戻ってもいい、から。」
「そ・・・れは、・・・・・・いや。ベルがいないのは、嫌だよう・・・。」
ベルがいない世界なんて嫌だ。ベルがいないのなら
私はきっと生きている意味がないと、思う。毎日が楽しいのはベルがいるから。
一人ぼっちは、嫌だよ。
「あのね、ベルがいるなら私、どんなところへだって行けるよ。」
ちっぽけな世界を敵に回して、
私とあなたは2人で黒い道を走り去る
20070223
2人の王子と隣国のお姫様がある日突然いなくなってしまったんだって。
20070318(修正)
20070613(修正)
前と設定変えました。
ちゃんはベルのいた国のお隣の国のお姫様ってわけです。
たまたまその日ベルのところへ来ていたのです。そういうことにしといてください。ハイ。