「ねー、骸。」
「なんです。」
「呼んだだけ。」
「・・・僕はどこかの誰かさんと違って暇じゃないんです。」
「じゃあ私のことじゃないよね。」
「どうみてもあなた暇してるでしょう。」
「してない。」
「変なとこで意地をはるのはやめなさい。」
「意地なんかはってないもん。」
「はいはい、もう少し我慢してくださいね。」



骸は今お仕事中。もうずっと待ってるから、飽きちゃった。
本読んでるのも、紅茶を飲むのも、つまんない。他にやることもないし。
本当は骸にいっぱいかまってほしいんだけど、お仕事の邪魔はあんまりできない。
(さっきしたけど、ちょっとだけだしいいよね。)
もう少しってもう何回も聞いた。そんなに大変なのかな。
私にも手伝えたらいいのに、それができないからくやしい。

本当は今日は骸はお休みだったのに、
急に書類がいっぱい来ちゃったから今こうしてやっているのだ。
あとで潰すとかぼそぼそ言ってたけど、それは聞かなかったことにしておいた。
マフィアだし、そういうことを言うのはしょうがないと思う。

そう、本当はお休みだったんだ。2人でおでかけするはずだったのに・・・。
なんかちょっと悲しくなってきた。久々に骸がお休みだったのに邪魔されちゃうなんて。



「、一体どうしたんです?!」
「え、なにが?」
「泣いてるじゃないですか。何があったんです?」


気付かないうちに泣いていたらしい。
骸はとても驚いた顔をしながら私の方へきた。
そっと指で優しく涙をぬぐってくれる。ああやっぱり、優しいなぁ。


「だって・・・、骸本当は今日お休みだったのに。」
「それが、どうしたんです?」
「骸と2人で、お出かけするはずだったのに、邪魔されちゃったから、悲しくてそれで・・・。」
「・・・。」 「な、なによ!」 「クフ、クハハハハハッ!」
「え、な、何で笑うの!」


言ってきてだんだん恥ずかしくなってきたと思ったら
骸には笑われてしまった。恥ずかしいことこの上ない。
やっぱりこんなことを思うのはおかしいのだろうか。


「クフフ、君があんまりにも可愛いことを言うからですよ。」
「う、だからってそんなに笑わなくても・・・。」
「嬉しかったんですよ、からそんな言葉が聞けるなんてね。」
「えっ・・・。」
「さぁ。でかけましょうか?」
「仕事は?」
「そんなの知りません。」
「だ、だめだよ骸!ちゃんとやらなきゃ・・・。」
「がこんなに可愛いことを言ってくれたというのに仕事なんてやっていられません。」
「でも・・・。」
「僕の休日に押し付けてきた方が悪いんですよ。」
「後で怒られちゃうかもよ?」
「クフフ、その時はその時ですよ。」


たまには、素直に思ったことを伝えてみるのも悪くないかもしれない。
だってこうして骸が仕事を放り出してまで私と出かけると言ってくれたんだもの。
結局嬉しくてにこにこしてたら骸に「ずいぶん嬉しそうですね。」と言われた。
だってだって骸が私のためにって思うとそりゃあ嬉しいもの。
だから私は機嫌よく「えへへ、骸のせいだよ!」と答えた。





素直な休日



20080923(なんて書きやすいんだろう骸は。 、 使いすぎだね。)