その一言にまた俺は恋をする



何年ぶりだろう、に会うのは。あまりにも久し振りだから少し怖い。
彼女はなんて言うだろうか。長い間放置した俺に愛想尽かしてるかもしれない。
でも、それでもよかった。また生きてに会えるのなら、嫌われてても構わない。
ああまだが来る時間ではないのにもう嬉しくて頬が緩んでくる。




「シリウス、頬ゆるんでるよ」
「ああ知ってる」




リーマスにまで言われてしまった。どうしようもない馬鹿な男だな俺は。
そうは思いつつもやはり嬉しいのにはかわらない。
早く、早く、早く!!
どれだけこの日を待ったことか。彼女に会えないのが苦しくてたまらなかった。
何度も太陽と月を迎えては、のことを思った。
やっと会える、やっと君に触れることができる。

あらゆることを考えているうちにドアの開く音がした。
時計を見れば約束の時間。に違いない。
玄関まで足を運ぶものの、少し足が重気がする。緊張してるのか。




「やっと会えたね、シリウス」




そういってはやわらかくほほ笑んだ。
嬉しすぎて、言葉がでなかった。ただをそっと抱きしめた。
相変わらずその体は細くて、学生時代の頃より痩せたんじゃないかと思う。
髪は前より伸びて、セミロングからロングへとなっていた。
学生のときの幼さは薄れて女性へと変わっている。
この12年の間にはとても変った。




「」
「何?シリウス」
「逢いたかった」
「うん、私もだよ。ずっとずっと待ってたの。誰よりもシリウスに逢いたかった」



けれど、の優しさは変わってなかった。
そしてずっと俺を思ってくれているところも。
なんて愛しいのだろう。12年もの間そばにいてやれなかったのが本当に悔しい。
これからは、ちゃんとそばにいるから。だからもう心配なんてしなくていい。
1人になんてさせない。そう胸に誓って強く抱きしめた。







12年目の恋









(20080710 たまにはシリウス視点でも。)