一点の穢れもないマリアが好きだった。
初めて会ったとき、マリアの生まれ変わりだと思ったんだ。
だから愛した。だから大切にした。
でもマリアは日が過ぎるほどに俺を見なくなった。
なぜだマリア。俺はこんなにも愛したというのに。
何が足りないんだマリア。何が不満なんだマリア。
マリアが嫌がることならなんでも消してやれるというのに。
その優しさで俺を包んではくれないのか。
という少女に生まれ変わったマリアよ。
俺にできることならなんでもしよう。
だからマリア、俺だけを見てくれ。
皆にやさしいマリアが好きだ。
だがそれ以上に俺だけを見てほしい。俺だけを愛してほしい。
あぁ愛しいマリアよ!!
私はマリアじゃないの。
私はシリウスが好きだった。とても優しかったし、
大切にしてくれた。たくさんの愛を私にくれた。
だけど、それは私に向けられたものじゃなかった。
彼が本当に愛していたのはマリアだった。
彼は私なんてちっとも見ていなくて、
私の中に眠ると信じてやまないマリアを愛していた。
彼は私がマリアの生まれ変わりだと信じてる。
だから私もあなたにマリアのふりをする。
そうすればあなたはたくさんの愛をくれたから。
だけど、もうそれも疲れてしまった。
マリアのふりだなんて、無理なのよ。
私はであってマリアではないもの。
魔法でも使ってマリアになれたらいいんだろうけど、
そんな高度な変身魔法は私にはできっこないわ。
ねぇ、いつになったら本当の私を見てくれるの?
穢れなき世界を壊すのは私
20080626(マリアに恋したシリウス。なんだこれなぞすぎる。)